2012年01月08日 04:44
アート作品の評価とは(補足)
前回、「アート作品の評価とは」で、作品の市場価値について触れた。
画商の立場では、収益性の観点から販売価格が高額の作品の評価は高い。
しかし、仕入れ面では逆に廉価でなければ収益性は低くなるから、高額作品は負(マイナス)の性格も帯びている。
それはまたアート作品を鑑賞して楽しもうと購入する人達にも同様にあてはまり、高額な価格はマイナス要因である。
では、高額作品を好ましいと考えるのは誰か?
それは既に作品をたくさん所有しているコレクター、在庫(作品)を抱えている画商(美術館)、債権として押さえている銀行、あるいはアーティストまたはその遺族、そして販売広告そのものが収入源のマス・メディアである。
アート作品の価格が高額で話題になるのは、市場で販売する時または手放す時であって、消してアート作品を鑑賞する時ではない。
鑑賞目的でこれから購入を検討する時はそのことを加味した方がよい。