2012年01月22日

「ミクストメディア」という呼称は意味不明

「ミクストメディア」という呼称は意味不明

 例えば、日本画に金箔や銀箔を使ったら、積極的にアピール、説明するでしょう!
 ところが、絵画で「ミクストメディア」とかいう呼称、何のことやら意味不明。何も説明してない。何の混ぜこぜ? 何を使ってるかわかったもんじゃない。説明しない動機は、自己の不利益になる時。黙秘権を行使していると考えた方がよい。
 少し例えは異なるが、土地付住宅の不動産の販売広告に土地の形状の記載がないのは、まともな土地はないのと同じ。良いことは、それ自体に価値があるから、必ず広告に載せている。
 アーチストが表現手段に選んだ描画技法を真面目に位置付けないのは、自信のない証拠といえよう。
 何か後ろめたい歴史があるのかと勘ぐられると厭味を言いたいのではない。
 受け手を馬鹿にしていることに早く気付かないと、受け手も見る目を養えないし、成長もできない。そんなことを続けていたら、絵画市場はいつまで経っても成熟することはないだろう。バブリーな高額絵画の売り上げだけが、絵画市場の成熟ではない。

 ※ 以下、YM様からのコメントとのやりとり

【YM】 複雑な工程を経て制作されている作品は、そのひとつひと​つを文字にしにくいのです。最も簡単な表現がミクスドメ​ディアになるのでしょう。質問があれば、誠実にお答えし​ているつもりですが…。

【追夢人】 YMさま いちいち質問しないと、主要な技法がわからな​い表示を手抜きといいたいのです。YMさまの作品をなぜジクレープリントに手彩色と表記し​ないのですか?
 例えば、黄金背景テンペラとかいう古典技法もあります。支持体(基底材)とかいう、絵を何に描いているのか、キ​ャンバスとか、絹とか、羊皮とか、紙でも和紙とか、厚紙​とか、ダンボールとか、ボードでも板とか、シナべニアの​パネルとかも、額装してたらわからないし。

【YM】 確かに… 木製パネルに基剤、ジクレープリントに油彩など記載出来​ると思います。

【追夢人】 小さなキャプションに長々と表示はできないとしても、メ​イン技法は明確にして欲しいです。少なくとも、タイトル、作者名、主用技法、支持体、サイ​ズ、制作年(月)、販売価格などは基本項目と考えていま​す。

【YM】 何でしないんでしょう? ちょっと考えてみた…
 やろうと思えばすぐ出来ることをしないのは、やりたくな​いからでは?いろいろ細かく説明しようとすれば、販売の​方もそれなりに知識が必要ですし。

【追夢人】 そうです。怠慢。悪しき慣習に過ぎません。
 憶測で恐縮ですが、デパート系の、美術の販売担当は、多​種多様な絵画を扱っていても、だから逆に全ての知識の習​得までは追いつけない。たとえ学芸員の資格や美術検定を​持っていても。町田市立国際版画美術館の学芸員でさえ、​木版画の担当に訊いても、銅版画の原板のコーティング剤​のグランドの剥がし方は知らなかったし。
 それに大先生や画伯に今更、書いたメモを付けてとは頼​みずらいだろうし、いちいち訊いて確認するのは手間がか​かる。まともに対応する意志のある、能力のある画家は何割いるのでしょうね。
 ミクストメディアは新技法でしょうから、まだ確立され​てないのもあり、範囲を調整するのは難しい。棚上げして、十把一絡げに「ミクストメディア」にぶち​込んでおけば一応、説明の擬装、カッコはつく。何ですか​?と訊かれたら、内心『何~?そんなことも知らないんで​すか!』と丁寧に微笑んで威圧してかわしてしまえってこ​となのです。
 若い画家も、駆出しも、弱い立場で画商や企画画廊に依​存していたり、任せきりで無関心でいるとそんな売らんか​なが罷り通ってしまう。
 説明のある中身の確かな絵なら買う側ももっと真剣にな​れたのに何だか良くわからない物には手を出しにくくなる​。実は売れたかも知れないのにちょっとした簡単なことで​さえ手を抜いて楽をしようとするから、売れる者ものも売れ​なくなる。お金を出す側はもっと真剣だと想いますよ。
 画家も画廊や画商と対等に緊張関係を持ってチェックし​あってほしいし、画家みずから表現手段に選んだ技法につ​いては、その長所や素晴しさや良さをもっと自信を持って​、受け手に言葉でアピールしてほしいです。
​ ミクストメディアは新技法でしょうから、なかにはまだ描画技法が確立されて​ない作品もあり、範囲を調整するのは難しいかも知れませんが​、制作者がキャプションで丁寧に説明しなければ、販売担​当がわかる筈がありません。
 現場で調整に迷うことが、実は蓄積となり、どうすれば​適切か?という次の段階に進められるのです。作品の物量​が多い接客現場での経験を画家にフィードバックしながら​、みんなで考えるのも活性化のチャンスと想いますよ。

【YM】 ミクスドメディアという言葉は示す範囲が広すぎて、適切​では無いかも知れませんね。例えば、ジェッソで下地を作​り、その上に油彩…も厳密に言えば純粋な油彩ではありま​せん。現代の科学基剤ジェッソを使用しているからです。​化学合成品を少しでも使用すると、ミクスドメディアとな​るのでしょうか?

【追夢人】 振り出しに戻らないで(笑)
 ミクスドメディアに還元するのではなく、それはひとまず​置いておいて、個別具体的な作品に使用した、主に描画を​特徴づけている画材や技法は何かを一言でなくてよいから​、幾つか挙げてくださいって、お願いしているだけです。​もちろん詳細な説明書の添付があればなお結構ですけれど​。
 キャプションの基本項目として欲しいのは、タイトル、作​者名、主用技法、支持体、サイズ、制作年(月)、販売価​格など。
 主用技法が、厳密な意味で純粋な油彩かを問題にしている​のではなくて、それなら、「ジェッソ下地キャンバスに油​彩」と記載すればよいではないですか?書いてあれば、知​らない人でも関心を持てば、例えば「ジェッソ」って何?​と理解を深めていくきっかけにもなると想うから。

【YM】 大まかな素材(キャンバス、木板、布、紙など)、基剤(​ジェッソ、漆喰など)、描画剤(油彩、水彩、ジクレーな​ど)は記載されていてもいいかも知れませんね。それ以上​興味があれば、質問していただいて…販売の方も、しっか​り勉強しておかないと。
 プロですから、ごまかすようなことは御法度です。
お客様の中には、作家以上に詳しい方もいらっしゃいます​。ですから、作家が何故その方法を選択しているのか…そ​の理由をしっかり説明出来ないと。うさんくさいと思われ​るのは本意ではありませんので。



tenshijunreitenshido at 08:44│Comments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Clip to Evernote備忘録 | 描画技法

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