再現

2012年09月24日

手描きの油絵の色彩とデジタルデータ化による再現性

手描きの油絵の色彩は、顔料の違い以外にも、表面には筆跡や塗り重ねなどの凹凸があるから、反射光の角度により微妙に変化する。

混色なら人の目に届くまでに干渉しあって多様に変化することだろう。

また照明の種類により波長は異なるし、自然光なら天候や季節や時刻によっても異なる。

室内にある壁など環境からの色の反射もあるので、肉眼は様々な影響を受けることになる。

また多くの人は両目で、様々な角度や距離から絵画の色を知覚する。

ある光源で、図柄ができるだけ歪まない様に絵画の平面の中心から垂直に離れたある一点から、単焦点レンズのカメラで撮影した写真では、次元が全く異なるから、たとえデジタルデータで色を忠実に再現したつもりでも、実際の油絵から受ける印象とは大きく異なる。

更にそれを高性能なプリンターで出力しても、表面の凹凸まで、同じ素材でなければ、分子レベルまでは再現できない。

そもそも、色ひとつをとっても、カメラでの撮影時に元絵のオリジナルの色が忠実に写し撮られたという確認は厳密にはできない。

それはせいぜい近い色で撮影者が妥協しているに過ぎない。

デジタルカメラのハードと内臓プログラムの性能がいくらよくても、保存した撮影画像のデジタルデータの出力の、ディスプレーやプリンターなどのハードやソフトの性能がそれ以下なら、意味が無いということも考慮しないと、無駄な経費と労力を費やすことになる。

そもそも、あるメディアに保存したデジタルカメラの撮影データなど、いつまで保存できるのか?

デジタルデータを長期間に渡って保存できたとしても、いつまでそれを再現するためのハードとソフトが存在するのだろうか?

デジタル技術の高性能さに目を奪われがちではあるけれど、そのほとんどが外部環境に依存している。

それも栄枯盛衰の激しい技術産業であることのリスクを考慮しておかないと十年も経たないうちに利用できなくなる場合も経験上あり得る。



tenshijunreitenshido at 04:44|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Clip to Evernote