原子力

2012年03月17日

科学の弱点はそれだけで自立できないこと

 科学の弱点はそれだけで自立できないこと。
 科学者が究明した科学理論、技術者が実用開発した科学技術を利​用して、例えば、原子炉は設計図を見ながら現場監督と作業員が建造し、検査員などが設計通りか、人為ミスが無いかを確認す​る。複雑に張り巡らされた配管など、狭い隙間に作業員の手も工作​機械も検査機器も入れられない箇所も実​際には数多くあるだろう。設計当初​からのミスもあれば、検査員の見落しもあり得る。
 科学理論の実用化には、予算の制約、調達資材の質、人工のスケ​ジュール調整など人間能力の限界も大きく影響するだろう。
 何の権限もない組織の一員に過ぎない科学者は細分化された専門​分野しか関知できない。完成後の運用、安全管理にいたっては、全​体を見渡せる科学者は一人もいない。
 原子力事業には、出資する者、予算を牛耳る者、利益や賃金を得​る者、科学者以外の大勢の利害関係者が直接係わっている。利権の​思惑も絡んでいる。たとえ気付いたミスを良心的に指摘しても、利​権の前では何の効力もない。ミスによる危険性を強く言い張れば、​職を追われるリスクの方が高くなる。
 こうして原発を推進する組織内には、保身のためにミスに気付か​ぬ振りをして隠蔽に加担するか、ミスを繕う政治的振舞いをして出​世を謀る御用学者だけが居残ることになる。原子力開発では、科学​も科学者も現実は利権によって政治的に悪用される道具に過ぎない​存在に堕落する。
 御用学者には、科学が「発達」すれば、安全​管理用の自動制御プログラミング装置とか人為ミスも防止で​きるという楽観的な科学信奉の精神論者が実に多い。福島第一原発​の事故で致死量に達する放射線の近くで現場作業している​のは、日本の最先端ロボットではなく、生身の人間である​という事実認識と理解は御用学者には皆無のようだ。人間​的にも無能としか言いようがない。そんな輩に今も将来も​期待できることは何も無い。

tenshijunreitenshido at 18:44|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Clip to Evernote